【フィールドノート】コケとクマムシ
産の森学舎での中学生向けの授業での、クマムシ観察。
野島智司(マイマイ計画)
2024.07.14
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乾燥すると枯れたように茶色くなり、湿り気を与えると一気に葉を広げて鮮やかな緑色になるコケ。
以前撮影したこちらの動画で、霧吹きで水を与えることで瞬間的にコケが変化することがわかる。
このような変水性と呼ばれるコケの特長、コケの中で生きている生物にも、似たようなものがある。
たとえば、クマムシという生きものをご存知だろうか。
ムシと名がつくが昆虫ではなく、緩歩動物というグループに属する小さな生きもの。
クマムシは「乾眠」と呼ばれる休眠状態になると、絶対零度でも、宇宙空間でも死なないという。
乾燥したコケ同様、水を与えれば、すぐに復活するのである。
コケの変水性を、極端なほどに強化した生態をもつクマムシは、最強生物との異名をもつ。
さて、この日の産の森学舎の中学生向けの授業では、実際に野外でクマムシを探し、顕微鏡で観察してみることにした。
と言っても、簡単に見つかるわけではない。なにせ、肉眼では見えないほど小さな生きものなのである。