【エッセイ】くだらないけどやりたいこと

最近マイブームの「文字ダジャレ」に至る経緯
野島智司(マイマイ計画) 2025.02.16
誰でも

長男が最近、アニメ版の「コジコジ」にハマっている。

8歳でコジコジのシュールな要素がどこまで理解できているかは謎だけれど、かなり楽しんでいるようだ。おかげで「高橋留美子先生」というワードまで覚えてしまったようだ。

コジコジはおもしろいし、深みがあるし、ホフディランのテーマソング「コジコジ銀座」も好きだし、うれしい気持ちがある反面、ちょっと見過ぎじゃないかと心配にもなる。

ただ、自分の子ども時代を思い返すと、テレビに夢中になっていた時期はほんとテレビばっかり観ていたし、プログラミングに夢中になっていた時期も画面ばっかり観ていたなぁと思う。
その意味では、当時の親の気持ちが少しわかるようになったということかもしれない。
自然と触れ合うのが日常になっていることの裏返しでもあるかもしれない。

もっとも、私の子ども時代は土曜夕方にしか観られなかったものが、今はオンデマンドで観られるので、1つのものにどっぷり浸かりやすいというのはある。
おとなもエコーチェンバーから抜けられない時代である。
以前も、いがらしみきおさんの「ぼのぼの」を教えたら、無料で観られる分をあっという間にぜんぶ見終えてしまったのだった。うーむ。

雪遊びは非日常

雪遊びは非日常

いや、そんなことを書きたいわけではなかった。

そんなこんなで最近、さくらももこさんのことを思い出してしまうのだ。

以前もどこかに書いた気がするけれど、さくらももこさんは、多くの漫画家のなかでも特に私が憧れを感じていた漫画家だった。それは、人として身近に感じられたからだ。

子どものころに絵本を送りつけて「サインください」と不躾なファンレターを送ったら、『ちびまる子ちゃん』の単行本にお礼を書いてくださったことは、私にとって強く心に残った。

大学時代にはさくらももこ携帯サイトの「ちからっ子通信」にしばしば投稿し、さくらももこさん本人からコメントをいただいたり、優秀作限定の記念品をいただいたりもした。

携帯サイトに送った作品のほとんどは、「ちからっ子俳句」という名の、5・7・5でおもしろいことを書くというようなもの。「俳句」とあるが、決まりは何もない。
採用作の中で今でも記憶しているのは、「福岡で幸か不幸かふくよかに」「そのTシャツ 後ろ前だし裏返し」というような感じの「くだらない」とも言えるものだった。

私が言葉遊びみたいなのが好きなのは幼いころからだが、それが促進されたのは、さくらももこさんの影響がかなりあるのではないか思っている。

『神のちからっ子新聞』とか大好きだった。

今は詩歌にふれる機会があるけれど、そこにどっぷりはまり込むまでいかないのは、私が「ちからっ子俳句」出身なせいで路線が少しずれてしまうのかもしれない。……ということにしておこう。

さくらももこさんには、いつか実際にお会いするんだと勝手に思っていたので、この世から去ってしまったときはとてもショックだった。けれど、今もコジコジの住む「メルヘンの国」のどこかで遊んでいるんじゃないかと思っている。きっと。

今はアカガエルの産卵シーズンです

今はアカガエルの産卵シーズンです

そんな影響もあったかどうだかはわからないが、最近ふと「文字ダジャレ」というのを思いついて始めてしまった。

時間があれば文字ダジャレを考えてしまうし、思いつくたびメモし、インスタグラムを更新する今日この頃だ。

「にふんでしこふんで」

「にふんでしこふんで」

もともとは、とある会合で、小グループに分かれたときに「2分でチーム名を考えてください」と言われ、そのときに思いついたチーム名「にふんでチーム」から、次第に脱線し、こんな文字ダジャレに至ってしまった。そのときたまたま隣の席だった人に『これ、「しこふんで」とも読めますね』って話しかけてしまって反省している。
(あ、それだけ温かい雰囲気の場だったということであって、その会合で上の空だったというわけでは決して……。)

「雪?」「雨ヨ!」

「雪?」「雨ヨ!」

さて、私の人生は、脱線を繰り返している。

一方で、脱線した流れがいつしか自分の本線になっている。

先日、ひさしぶりに研究者の友人と話していて、やっぱり私の関心というか、特徴は、そういうところにあるんだなと感じた。

「文字ダジャレ」のようなことも、今はわからないけれど、もしかしたら大事なことなのかもしれない。
人生どう転ぶかはわからない。
いつかフリップ芸人になったときに、いつかマンガ家になったときに、これらが使えるかもしれない。。。

とはいえ、マイマイ計画のこれまでの路線からはそんなに逸脱していない。
「心にもっと、道草を。」というコンセプトにはハマっているのだ。
自然絡みのネタとは限らないけれど。

少なくとも「文字ダジャレ」を考えている間は、いろいろなモヤモヤをすっかり忘れて集中していられる。心の健康度がアップしている。

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