【エッセイ】新しい学びの場の構想①

来年度から立ち上げよう思っている場所について、備忘録を兼ねて書いておく。
野島智司 2026.07.23
誰でも

来年度、フリースクールを立ち上げようと少しずつ構想を重ねている。

この夏休みのあいだ、それに向けて動くとともに、その構想を少しずつ書き留めておこうと思う。(書かないといけない原稿もあるけれど……)

今回は、基本構想と、その動機について。

子どものころの「ほしかった場所」

私は子どものころ、小中高校にほとんど通わずにホームスクーリングで育ち、大検を経て大学に入学した。

12歳ごろから、いわゆる「勉強(教科学習)」に興味を持つようになり、やがて野生動物についての研究をするために大学へ行きたいと思うようになった。

当時の自分を思い返すと、自分のほしかった場所は、自分の学びたいことを学べる場だった。

もちろん、一人で学ぶことは家でもできた。でも、一人だけでは難しいことも確かにあった。

専門的なことを学びたいという気持ちはあったし、その一方で、大学進学のための教科学習もしたかった。

だから、一人ではできない学びができる場所がほしかった。

何でも、わからないことを聞ける場所。
自然や科学に関して専門的な道具があって、探求できる場所。
読むとおもしろそうな本を教えてもらえる場所。
たくさんの本があって、ゆっくり読める小さな図書館のような場所。
あるいは、悩んでいること、しんどい気持ちをぽろっとこぼせてしまうような場所。

幼馴染の家で友達と過ごし、動物に触れたり、一緒に鉱物採集に行ったりしたことで、救われるものはあった。
その後、東京に引っ越して、「数学塾むれ」さんに通うようになったら、教科学習面では助けられたし、進路の相談もできたし、当時、実際に大学の研究室を見学に行けたことは今も心に残っている。

それらを組み合わせたような場所がもしできたら、必要とする人は必ずいるんじゃないかと思っている。

これから作りたい場所

そんな自分の体験を土台に、これから作ろうと思っている場は、自然を探求することを軸とした、小学高学年〜中高生を中心とする学びの場。

基本の活動は、身の回りの自然を観察し、調査し、探求し、そして表現すること。
その過程で、多くの人にとって「しなければならない」とされる教科学習も、その人にとって価値あるものにできないかなと思っている。

私は、大学進学のための勉強も、それなりに楽しかったという感覚がある。
自分なりの問いを持ち、その問いを深めるための道具として学ぶとき、教科学習は受験のためのタスクではなくて、自分にとって価値のあるものだった。

あるいは、ときどき大学で学ぶような専門的な話にも触れたり、実際に見学に行ってみたりもしたい。

すぐに実現できるかわからないけれど、いつかヤギやヒツジのような動物も飼いたい。

もちろん、のんびり過ごしたり、遊んだりできるのが基本。
そもそも遊びと学びが溶け合うような場が理想なのだ。

そんな理想的な場が、今の自分なら、実現できるんじゃないかと思っている。
最初から完成された場ではなくて、少しずつ作り続けていくような場所だから。

表現すること/楽しむこと

「表現する」というのも、大切にしたいことのひとつだ。

私は子どものころの夢はマンガ家だったし、絵を描いたり、絵本を作ったり、ラジオ番組を作ったり、新聞を作ったりするのが好きだった。

自然調査の成果も、そんなふうに、それぞれの表現で人に伝えることができたらいいと思う。

レポートでもいいし、詩でもいいし、物語でもいいし、絵でも粘土でも、音楽でもプログラミングでも、映像作品でもいい。

さらには成果をまとめて、定期的にZINEを発行できたらと思っている。

それらの表現は、何より、私が楽しいことだから。

エコトーンのような場所

「エコトーン」は生態学の用語で、水辺と陸地のあいだに広がる湿地のように、異なる環境が重なり合う場所のことである。日本語では、推移帯、移行帯などと訳される。

例えば多くのカエルやイモリは、卵と幼生の時代を水の中で過ごし、成長すると陸上で暮らすようになる。水辺と陸地のあいだにあるエコトーンは、そうした生きものたちの育ちを支える大切な環境である。

子どもから大人へと移り変わる人の成長にも、そんな「ゆるやかな移行帯」のような場所が必要だと思う。
異なる環境の境界をゆるやかに行き来しながら、学びを深められる環境。

それは、私が子ども時代を過ごしたような環境でありながら、大人になった私が過ごしている場所。

名称は少し悩む。

「フリースクール エコトーン」だと、ちょっとカタカナ続きになるのが悩みどころ。

フリースクールという呼び方が最善かどうかはわからないけれど、日本語圏ではもっとも伝わりやすい表現かなと思う。ただし、週末には一般開放の場も開きたいので、ぴったりな名称というわけでもないのかもしれあい。

やさしく ゆっくり すこしずつ

合言葉は、

「やさしく ゆっくり すこしずつ」

これは、人に対しても、自然に対しても、自分自身に対しても。

こうもりあそびば時代から受け継いたこの言葉を、引き続き、合言葉にしたいと思っている。

さて、今回はここまで。

次回は、この「エコトーン」を運営することになる「小さな脱線研究所」の法人化構想について書こうかな。

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